生意気だけど可愛い大学生の従兄弟に、やられっ放しの私というお話

私には、現在就職活動中の大学生の従兄弟がいる。21歳だ。
30歳を超えた私だが、いつも彼には一本取られてしまう。
そう。彼は頭がキレる男だ。
その日は私も仕事が早く終わり、就職活動を終えた従兄弟と2人居酒屋の座敷でお酒を飲みながら夕食をとっていた。
就職活動の筆記試験に、SPIと一般常識というものが有る。
分厚い問題集みたいな冊子で書店に販売されているものだ。
彼はその問題集から1問私に出題してきた。
「『戦ぐ』、、、何て読むでしょう」という問題だった。
私はこの答えを知っていたため、ニヤリとしながら、彼に即答した。
「そよぐ。や。簡単やんか。」
そうすると、従兄弟はこう返してきた。
「お酒の席やで。関西人で営業の仕事してるなら、もっとユーモア欲しいねー。」
私は少しイラッとして、
「たたかぐ。とか言うた方がオモロかったん。それはそれでスベるやろ。」
と指摘した。
いとこはこう返してきた。
「ファイティンぐ。くらいやってくれよー。」
確かに面白く、筋も通っている。私はつい、「クソ。。。」と悔しがりお酒が進んだ。
お互いの自宅まで徒歩圏内の私たちは、タクシーで帰宅することにした。
帰り道、他愛もない話をしながら、従兄弟の就職活動を激励した。
そんな生意気な彼も疲れていたのか、車内では素直に「ありがとう」と感謝の言葉を言っていた。
居酒屋から10分ほど走ったところで2人とも降りることにした。
お互いの自宅の中間地点くらいのところだ。
運転手さんから「830円です」と料金を告げられた。
私は年長者でも有るので、従兄弟に「僕が払うから、いいよ。」と得意気に言った。
お酒で上機嫌になってか、強気になってか、代金を運転手さんに手渡し、「お釣りは要りません」と言って降りた。
従兄弟が、話しかけてきた。私は、お礼なら良いよという表情を浮かべたが、
従兄弟が言った言葉にまた一本取られた。
「お釣り要らんのやったら、1,030円じゃなくて1,000円で良いやん。」
私の酔いが少し覚めた気がした。
人間にしかできないこと